ホテルバーは美味しい
Number 13
東京ドームホテル バー「2000」

野球ボールを彷彿とする丸氷で「白州18年」を飲む

笑顔こぼれるエンタテインメントな空間

シブい、おしゃれ、シック。様々な空気感がそよぐホテルバーを紹介してきたが、東京ドームホテルのBar『2000(トゥエニーオーオー)』はちょっと様子が違う。初心者が身構えながらホテルバー特有の緊張感を抱いていくと、肩透かしをくらう。

カウンター席はもちろんテーブル席からも東京ドームシティが見渡せる。ドームが間近に迫り、ライトアップされたアトラクションズ(遊園地)が煌めいている。席に座ってスクリーンのような眼前の光景を見渡していると、こころ和むのだ。バーのたたずまいの中にいながら、ハイとはいわないまでも陽の心地に満たされる。

カウンターがまた楽しい。18.44mもあるカウンターの長さはプロ野球のピッチャーマウンドからキャッチャーまでの距離だとか、そのカウンターにはホテルが開業した2000年に活躍した日米野球界のスター選手、松井秀喜やサミー・ソーサなど7人のバットが埋め込んであるとか。伸びやかな発想につい笑ってしまうではないか。

そう、ここは一般的なホテルバーの概念を覆す、楽しさあふれるバーなのだ。東京ドームシティならでの発想といえる。

客層も一種独特で常連に加え、プロ野球開催日には野球ファンが、またアーティストのライブ客、そして様々な東京ドームで行われるイベントによってゲストの顔ぶれがガラリと変わってしまう。バーでの楽しみのひとつ、人間ウォッチングをするにも興味深い場所であることは間違いない。

写真左:
白州18年2,700円
(丸氷:数量限定・有料)
写真右:
ジャガイモのニョッキ生ハムと
アスパラガス添え
1,944円
写真左:
ジンフィズ1,728円
写真右:
オマール海老と
野菜のフリットクリーミー
カレーソース
2,700円

ビーフィーターのジンフィズとクリーミーカレーソース

こちらのもうひとつのチャームポイントが料理だ。簡単なおつまみやサラダ、ピザなどをオンメニューする「ライトミール」と22時ラストオーダーの「スペシャルメニュー」の2本立てだが、「スペシャルメニュー」は隣接するダイニング『ドゥ ミル』が提供するフレンチベースの本格的なもの。

食材も豪華な「オマール海老と野菜のフリットクリーミーカレーソース」は、甲殻類でとった濃厚な出汁を使い、手間ひまかけて仕上げたソースにうっとり。ワインに合うのはもちろんだが、アシスタントマネジャー、岩佐英治さんのおすすめに従って「ジンフィズ」とのマッチングを試したい。
「中華料理の海老マヨのソースにジンを加えるというレシピがあると聞いたことがあるので」

柔らかい接客をみせる岩佐さんに笑顔で説明されるとより美味しさがアップするような気がする。

確かに。爽やかな柑橘系の味わいが特徴のジン、ビーフィーターをベースにフレッシュレモンジュース、炭酸水を加えたカクテルの酸味とマイルドなカレーソースが見事に調和する。ぉお!ちなみに同じ「ジンフィズ」でも食前、食中、食後などのシチュエーションや飲み手の好みによって甘みや酸味、辛みを調整するのがバーテンダーの腕なんだそう。ジンの風味が苦手というひとも、飲まず嫌いをやめて一度チャレンジしてほしい。バランスよくつくったジンフィズはむしろクセになるほど、美味しい。私もここでジンフィズ好きになった。

もう一品「ジャガイモのニョッキ生ハムとアスパラガス添え」にはシングルモルトウイスキー「白州18年」がおすすめとのこと。ロックで頼んだところ、丸氷に不思議な筋が見え隠れ。ん?これって。よく見ると野球ボールの縫い目のような模様になっている。思わず笑ってしまう。

料理との相性も言うことなし。長期熟成モルトならではの重層感、深みがバターの風味を包み込み、ほのかなスモーキーさの中に香るメロンのようなニュアンスが生ハムと共鳴する組み合わせだ。

東京ドームシティを眺めながら、本格的な料理とカクテルやウイスキーのマリアージュをあれこれ試すなんて、最高のエンタテインメント。アトラクションやショッピングモール、天然温泉の帰りに立ち寄ることをおすすめする。満ち足りた一日の余韻をじっくりとかみしめながらの、最高のクールダウンの場でもある。

アシスタントマネジャー
岩佐英治さん
東京都文京区後楽1-3-61
東京ドームホテル6F
Tel.03-5805-2299(直通)
月~土曜19:00~翌3:00 (~翌2:00LO)
日曜・祝日18:00~24:00(23:00LO)
料理のスペシャルメニュー~22:00LO
無休
カクテル1,404円~
ウイスキー1,404円~
フード1,296円~
チャージなし
サービス料10%
*価格はすべて消費税込み