女性のための、とてもわかりやすいバー講座「カウンター学のススメ」Series1 ファッション感覚で愉しもう

大阪・曾根崎 Bar Blossom篇「素敵な小宇宙に遊ぶ」写真・川田雅宏

日本人ならではの接客

 日本に暮す女性は羨ましい、とは、海外在住のお酒をよく嗜まれる日本女性の方々から聞かれる声です。
 たとえばパブの国、イギリス。パブに女性ひとりで入ることはまずあり得ないそうです。あくまで社交の場、仲間との交歓の場だそうです。そのため、ひとり寛いでお酒を愉しめるお店が恋しくなるようです。
 また海外では、スタンダードなバーやホテルのバーに女性ひとりで行ったりすれば、周囲から好奇の目で見られ、変に勘違いされたりすることが多いそうです。海外に住んでみて、「酒場で女ひとりの時間をつくれる日本は幸せな国」という方もいらっしゃるほどです。 
 大阪、曾根崎「Bar Blossom」のバーテンダー小西広高さんは、こうおっしゃいます。
「日本のバーテンダーはひとりひとりのお客さまをとても大切にします。女性おひとりの場合は、知らない男性のお客さまから必要以上に話しかけられたりしてお困りになることのないよう、注意を払います」
 日本人ならではの繊細な接客があるからこそ、女性ひとりでも安心してお酒が飲めるのです。
 「Blossom」は通りに面した1階にありますが、第2回で紹介した「Gemstone」のように外から店内を伺うことはできません。同じ路面店でも外観は異なります。店頭にはウイスキーの熟成樽が置かれ、バー入門者の中にはそれだけで、ウイスキーに精通していなければ駄目なのでは、と身構える方がいらっしゃるかもしれません。

 でも入店して見ると、スタンダードなバーの心地よい時間に満たされる、素敵な小宇宙です。
 曾根崎は大阪の中心街に位置しながら、極めて庶民的な香が漂う場所です。御堂筋と新御堂筋に挟まれ、近松門左衛門の『曾根崎心中』で知られるお初天神の正門がすぐ近くです。木が醸し出す、どこか懐かしさで包み込む内装のバーに、近くのビジネス街から束の間の癒しを求めて訪ねる方もいます。
「常連客の中には女性の方もいらっしゃいます。一度誰かと一緒にお見えになり気に入っていただくと、それからはおひとりで、というお客様が多いですね」

お洒落な遊び心

 小西さんに、初めて訪れた女性客から、「スタンダード・カクテルは何もしらない。この季節に合った、夏らしいカクテルを」と、もしオーダーされたら何をつくられますか、とお聞きしました。
 その方のお好みの味わいやいまの気分をお聞きして、合わせるようにするとおっしゃいましたが、あえてスタンダードを柔らかくアレンジしたり、オリジナルにすることもあるそうです。
 まずいただいたのが「ピンク・モヒート」。スタンダード・カクテルのひとつ「モヒート」は、ラムをベースにミントの葉、シュガー、ソーダでつくりますが、これはラムをグアバーナというグアバ果汁を使ってつくられたリキュールに変えてアレンジしたものです。グアバの優しい甘さと酸味、それにフレッシュミントのすっきりとした風味が加味され、爽やかな味わいです。

 そして「ミスティ・ラグーン」という楽しく食べながら飲むカクテルもつくってくださいました。お酒そのものをあまり嗜んだことがない、とおっしゃる女性客にすすめられることが多いそうです。
 ロックグラスにクッラシュドアイス(細かく砕いた氷)が詰められ、グレープフルーツ、ブルーベリーといったフルーツが入り、ミントの葉も飾られています。お酒はミスティアというマスカットから生まれた、みずみずしいフレッシュな感覚のリキュールで、それにトニックウオーターを加えてあるそうです。
 優しい甘さのマスカット風味を感じながらフルーツを食べる面白味と清涼感にあふれ、とてもお洒落なデザート・カクテルでした。
 これこそファッション感覚で愉しむ、遊び心です。ちょっと得したような気分に満たされます。小西さんのようなサービスをされるバーテンダーがたくさんいる日本は、やはり世界から羨ましがられるバー大国といえます。バーを使いこなさければ損だとは思いませんか。

「Bar Blossom」だけでなく、太融寺/南森町/北浜エリアには素敵なスタンダード・バーがたくさんあります。BAR-NAVI検索からあなたが惹かれたバーへ、是非一度訪ねてみてください。 尚、「Bar Blossom」小西広高さんには、Series 2(10月末)に再登場いただきます。

バーテンダー・小西広高
ピンク・モヒート
ミスティ・ラグーン
Bar Blossom 530-0057
大阪市北区曾根崎2-1-6
太洋ビル1階
Tel.06-6311-6530
17:00~1:00(土~24:00)
年中無休

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