女性のための、とてもわかりやすいバー講座「カウンター学のススメ」

Series2 お気に入りのバーを見つけよう

東京・国立 Gemstone篇
「恋人とはカウンターがベスト」
写真・川田雅宏

横並びが良好な関係を生む

前回は、ひとりで過ごせるバーをつくろう、とおすすめしました。 カウンター席に座り、自分を見つめ直し、本来の自分を取り戻す時間をつくりましょう。照明を落とした穏やかな空間で飲むお酒が、心身をリラックスさせてくれるでしょう、と“ひとり酒の効用”について述べました。 では、今回はカウンターの効用です。もし行きつけのバーができたならば、ひとりはもちろんのこと、友人や恋人を誘ってみてください。とくに相手との関係がぎこちなくなりつつある、最近うまくコミュニケーションが取れていない、といった状況にあるならば、バーはおすすめです。 心理療法士の方たちは、人と人とが深い会話をするときは、対面、つまり向き合わないほうがいい、とおっしゃいます。これは家庭で夫婦が食事をするときにも当てはまるようです。 しっかりと向き合う関係が、必ずしもいい関係を生むとは限りません。 横並びで、お互い前を向いたまま語り合い、時折視線を合わせる状況は、隣にいる人と同じ時間、同じ空間を共有しながらも、ひとりでいる状態でもあるといえるそうです。相手と会話しながら、自分自身のこころと向き合い、素直に冷静に語ることがきるということなのでしょう。 それにふさわしい場所こそ、まさにバーのカウンター席です。そして人と人をリラックスさせ、結び合うのがお酒です。グラスを傾けながら、深いこころの会話を生み出せるのです。 最初は気取りや頑な鎧(よろい)で身を固めていたとしても、お酒によってしだいにほぐされていきます。 東京・国立「Gemstone」のボトルが並ぶバックバーの壁面には、可愛らしい小さな青い光が宝石のように灯っています。この輝きを眺めながら、誰かと一緒にお酒を飲めば、きっと落ち着いた会話ができるだろ、と感じました。ひとりのときも、ふたりのときも、優しいこころ持ちになれることでしょう。 バーテンダーの高野亮さんは付かず離れずの接客について、カウンターの幅を例にして、こう語ってくださいました。 「カウンターを間に挟んで、わたしたちバーテンダーはお客様と接しているわけですが、このわずかな、微妙な距離感もいいのだと思います」 状況によって客とバーテンダーとの距離はぐんと縮まることもあれば、一線を超えることなく引いた距離を保つこともできる、ということのようです。バーテンダーは話し相手にもなり、また黒衣にも徹する仕事でもあるのです。

カウンターで心まるくする

「カウンター席でお好みのお酒を味わいながら、それぞれのお客様が思い思いの時間を過ごしてくださって、リフレッシュされてお帰りいただきたいとバーテンダーはこころから願っています」 柔らかい口調でおっしゃる高野さんに、おすすめのカクテルをたずねてみました。今回は女性的な色調を愉しめるカクテルをご紹介いただきました。 まずは「バレンシア」。アプリコット(あんず)リキュールとオレンジジュースをシェークした、フルーティーで甘口の口当たりのいいカクテルです。アルコール度数も高くありません。オン・ザ・ロックにしたカジュアルな飲み方もありますが、カクテルグラスだと洗練された大人の感覚に仕上がります。 次にザクロの風味の効いた、これからの季節にぴったりのカクテルです。それは「ジャック・ローズ」。りんごからつくられたブランデー、カルバドスをベースにライムジュースとグレナデンシロップを加えてシェークしたカクテルです。食後酒として愉しむのもいいかもしれません。秋の味覚を堪能したあとに飲んだならば、胃がすっきりと落ち着くような気がします。 赤いバラのような鮮やかな色調に魅了されながらひと口含むと、ライムジュースの酸味とグレナデンシロップの甘みがカルバドスの味わいと調和して、とても芳しい口中香が感じられます。 カウンター席でこうした麗しいカクテルを味わいながら、ひとり、あるいは友人、恋人と安らぎの時間を過ごせば、こころがまるくなっていくはずです。

「Gemstone」だけでなく、立川/国立/国分寺エリアには素敵なスタンダード・バーがたくさんあります。
BAR-NAVI検索からあなたが惹かれたバーへ、是非一度訪ねてみてください。
尚、Gemstone高野亮さんには、Series 3(2013年1月末)に再登場いただきます。

バーテンダー・高野亮
バレンシア
ジャック・ローズ
Gemstone186-0002
東京都国立市東1-18-7
ぐらんぽると国立1F
Tel.042-575-7728
17:30~3:00(日祝~1:00)
年中無休

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