女性のための、とてもわかりやすいバー講座「カウンター学のススメ」

Series2 お気に入りのバーを見つけよう

大阪・曾根崎 Bar Blossom篇
「バーで自分をリセットする」
写真・川田雅宏

カウンターでスイッチを切り替える

すでに行きつけのバーが2軒ある、という20代後半の女性からこんな話を聞きしました。 仕事を終えてひとりになりたいときがよくあるそうです。喫茶店に入ってコーヒーとケーキという気分でもなく、お酒を少し飲みたいけれど、お洒落なスタンドバー(立ち呑みスタイル)やバールの賑わいの中にはひとりで入れない、といったそんな夜はスタンダードなバーのカウンター席に座り、ゆったりと孤独に浸るそうです。 非日常の空間で飲むお酒がこころをリフレッシュさせてくれると彼女は言います。「FULLだった針をゼロに戻す感覚。ゼロといっても無にはならないけれど、高ぶっていた気持ちや落ち込んだ気分をやわらげ、自分を取り戻す時間、リセットする場所」だそうです。 反省もし、自分自身を激励もし、未来図を描いたりもし、ときに精神的に成長した新たな私を発見することもあるそうです。いまの自分に語りかける時間、それが彼女のバー・タイムなのでしょう。 行きつけとなるバーは同じ空気感ではないそうです。1軒は静かでしっとりとした内装で、バーテンダーも必要以上に会話を投げかけてこない。もう1軒は少しカジュアルで、バーテンダーともよく話をし、常連客とも軽い世間話を交わすこともあるそうです。 タイプの違うバーですがどちらも波長が合い、その日の気分でどちらの店に行くか、使い分けているそうです。 大阪・曾根崎「Blossom」のバーテンダー、小西広高さんはこうおっしゃいます。 「女性のほうが、オンとオフの切り替えが上手です。いまこの時間をおいしく、愉しく過ごそうとされます」 男性は心身の疲れをそのまま引きずって、同じ非日常でも単に現実逃避におぼれてしまう方も多いようです。ただ、そういう客のこころをうまく掴んで、心地よくなってもらって見送るのがバーテンダーという仕事の醍醐味なのかもしれません。 「お酒への好奇心も女性のほうが旺盛で、カクテルにしても新しい味わいに挑戦されたり、会話も前向きですね」 バーでの時間を過ごす女性は、いきいきとした自分を早く取り戻せるのかもしれません。これもカウンターの効用といえるでしょう。

自分だけのバー、自分だけの味わい

小西さんに、いま女性にとくにすすめられているカクテルはありますか、とおたずねしました。すると2品を紹介してくださいました。 ひとつは「カイピロスカ」。人気のカクテルでサトウキビの搾り汁からつくられたブラジルの酒カシャーサ、カットライム、シロップなどミックスする「カイピリーニャ」(ポルトガル語/田舎者)がありますが、カシャーサをウオツカに代えたカクテルが「カイピロスカ」です。小西さんはこれにカットした梨の幸水を添えたアレンジをされています。 梨の食感とみずみずしさを愉しみながら、「カイピロスカ」の甘くすっきりとした酸味のある風味が口中に流れると、なんだかこころが軽くなったような気がしました。これこそ非日常の味わいといえるでしょう。 もう一品は小西さんのオリジナルで「レグルス」。しし座のアルファ星でラテン語。意味は“小さな王”だそうです。 りんごのブランデー、カルバドスにエルダーフラワー(西洋ニワトコ)を漬け込んだお酒、それにレモンジュース、ジンジャーエールがミックスされたロック・タイプで、飲み口が甘く優しく、とても心地よく、夜空に遊ぶような浮遊感をもたらします。エルダーフラワーのお酒は日本にはまだ正規輸入されていませんが、いまアメリカでは人気となっています。マスカットのような味わいながらライチの風味も潜んでいて、とてもミステリアスな味わいです。グラスに入ったレモンが星を表現しているようでもあり、飲みながらいろいろなイメージが湧いてくるカクテルです。 こうしたカクテルはバーテンダーの感性でさまざまに生まれ、またアレンジされたりします。どうか波長の合うバーを見つけて、自分がゆったりと寛げるお酒、カクテルを探し当ててみてください。バーで自分だけの時間をどうぞ。

「Bar Blossom」だけでなく、太融寺/南森町/北浜エリアには素敵なスタンダード・バーがたくさんあります。
BAR-NAVI検索からあなたが惹かれたバーへ、是非一度訪ねてみてください。
尚、「Bar Blossom」小西広高さんには、Series 3(2013年2月末)に再登場いただきます。

バーテンダー・小西広高
カイピロスカ
レグルス
Bar Blossom530-0057
大阪市北区曾根崎2-1-6
太洋ビル1階
Tel.06-6311-6530
17:00~1:00(土~24:00)
日祝休

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