女性のための、とてもわかりやすいバー講座「カウンター学のススメ」

Series3 自分好みの味わいを探ってみよう

東京・国立 Gemstone篇
「カクテルの温故知新」
写真・川田雅宏

気持ちを伝えてみよう

お好きな味わいのカクテルはみつかりましたでしょうか。 すっきりとドライな切れ味、リキュールの風味が効いたしなやかな甘み、フレッシュフルーツのジューシーさ、カクテルは甘酸辛さまざまな味わいが愉しめます。その時の気分、たとえば達成感のある日、ちょっと気持ちが沈んだ日、はたまた和洋中の食後、さらには脂っこい料理なのかあっさりとした料理を食べた後か、など状況によって飲み分けられる、味覚の幅が大きく広く深いところがカクテルの魅力です。 カクテル名や味わいを理解していなくても安心してください。バーテンダーに自分のいまの状況を伝えれば、彼らは気持ちを汲んでふさわしい味わいのものをつくり出してくれます。 またこうしたやりとりから会話が弾むことが多く、はじめて訪れたバーの場合、堅苦しさから解きほぐされるようです。 東京・国立「Gemstone」のバーテンダー、高野亮さんは、「余程の勘違いがない限りは、その方が求めていらっしゃる味わいと大きくはずれることはないと思います」とおっしゃいます。 そこで高野さんに、甘さがありながらもすっきりとした味わいのカクテルというものはありますか、と質問してみました。ちょっと考えられて、では、とおっしゃってシェークされたのが「雪国」でした。 グラスに満たされたカクテルのスタイリングからして、まさにネーミングの通りで、底には可愛らしいグリーンチェリーが静かにたたずんでいます。これは雪に覆われた樹木の姿を表現しているのかもしれません。 グラスの縁にはあらかじめ砂糖が付けられています。グラスの縁をレモンやライムなどで濡らし、塩や砂糖を付けるやり方をスノースタイルというそうです。 「雪国」を連想させる白く透明感のあるカクテルはウオツカ、オレンジのリキュール、ライムジュースをシェークしたもの。口にすると、はじめは砂糖のほのかな甘みを感じますが、カクテルが口中に広がるとすっきりと爽やかな酸味に魅了されました。

新旧の味わいを試してみよう

驚くのは、この「雪国」は1958年サントリー(当時は寿屋)主催のカクテル・コンクールで第1位を獲得した作品(山形県、井山計一氏作)だそうです。55年前に誕生したカクテルなのに古めかしさをまったく感じさせない味わいで、むしろ新鮮な感覚に包まれました。
「素晴らしいカクテルというのは、どんな時代でも受け入れられるものなのです。シンプルなレシピでバランスのよい味わいを生むのは難しいことですが、こういうレシピがヒントになり、また新たなスタンダードが誕生する訳です」
温故知新であると高野さんはおっしゃいました。 つづいて、フルーツを使って、ジューシーでありながらコクのある味わいのカクテルを頼んでみました。すると高野さんはシェーカーの中でイチゴをつぶされはじめました。そしてその他にテキーラ、レモンジュース、シュガーシロップを加えてシェークし、バーズネスト(茶漉し器のようなもの)で漉しながらグラスに注がれたのは美しい紅い色をしたカクテルです。こちらのグラスは塩でスノースタイルにしてあります。 名前は「ストロベリー・マルガリータ」。スタンダードカクテルの「マルガリータ」のアレンジになるそうです。味わいはイチゴの酸味にしょっぱさとともに甘いコクが感じられ、麗しい気品にあふれています。 こうしたフレッシュフルーツを使ったカクテルは1990年代後半から人気となったそうで、カクテルの歴史からみればとても新しく、現代的なものだそうです。 高野さんから新旧のカクテル二品を紹介いただきましたが、美味しいものは時を超えて愛されるということを学びました。

「Gemstone」だけでなく、立川/国立/国分寺エリアには素敵なスタンダード・バーがたくさんあります。BAR-NAVI検索からあなたが惹かれたバーへ、是非一度訪ねてみてください。

バーテンダー・高野亮
雪国
ストロベリー・マルガリータ
Gemstone186-0002
東京都国立市東1-18-7
ぐらんぽると国立1F
Tel.042-575-7728
17:30~3:00(日祝~1:00)
年中無休

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