No.7 昔ながらの仕込み、秘伝の酵母

旧式の機械を使う理由

バーボンの原料である穀類を粉砕する際、 「ハンマーミル」という粉砕機を使用するのが一般的です。

しかし、メーカーズマークでは原料の焦げ付きを防ぎ 小麦のふくよかな甘みを守るために、 より手間のかかる「ローラーミル」という旧式粉砕機を使って、作業を慎重に行います。

職人が原料と機械を絶妙に操りながら行う作業は、 自動化された最新機器にはまねできない丁寧さを生みだします。 全ては舌先に感じるスイート&スムーズのためなのです。

酵母菌が見る夢

原料のデンプンを糖類に分解し、糖化液をつくる工程でも強い圧力をかけずに、ゆっくりと温度に注意を払い仕込んでいきます。

発酵には昔ながらの赤イトスギの木の桶を使い、3日間行います。
レシピを燃やしてしまった6代目ビルですが、禁酒法以前の時代から続く秘伝の酵母菌は、今でも継承され使用されています。

蒸溜はコーンと小麦の甘みを生かすために、通常より低く設定。そうして、樽の中での長期熟成の備えを整えるのです。

ひょっとすると、メーカーズマークを口にした時に感じる柔らかな味は、古き良き時代を知る酵母菌が、桶の中で見る甘い夢なのかもしれませんね。