No.9 Maker's Mark46
- ジュニアが見た夢
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長期熟成を終えたメーカーズマークの原酒樽を開くと、そこにはスイート&スムーズの泉が現われます。
立ち上る甘いキャラメルの香りと、琥珀色に透けた漆黒、こげた樽の内側に感じるウッディネス。それだけでも思わず喉がなります。
しかしメーカーズマーク46はもっと欲張りです。名前の由来となった、オーダー番号46のインナーステイブと呼ばれる、焦がしたフレンチオークの板を樽の中に10枚沈め、さらに数ヶ月後熟します。
より濃厚なウッディネスと、鼻腔で膨らむキャラメルアロマが複雑に絡み合い、より長くスムーズな余韻をもたらす、情の深さのような味わいが生まれるのです。
そして、メーカーズマーク46を産み出した、7代目ビル・サミュエル・ジュニアには、こんな話があります。
父親からメーカーズマークの製法を受け継ぎ、父親の「なんとしても製法を変えないで欲しい」という願いを守ってきました。
しかし、7代目ビルは引退直前にある夢を見たといいます。
夢の中で見たのは自分の墓石、そこにはこう銘されていました、
「父親から受け継いだバーボンを駄目にしなかった男」と。
そのことがきっかけで彼は、メーカーズマーク46をつくることを決意したというのです。
7代目ビルのアイデンティティーと共に沈められた、10枚のインナーステイブが生み出す深みを、ぜひ親子でグラスを傾け、味わってみてはいかがでしょうか。